PRINCESS WALTZ
■ 短評 ■
「悪くは無いけど、各ヒロインルートが欲しかった」
■ シナリオ ■
現代社会に出現する、異世界の王妃を決める「プリンセスワルツ」システム。
1000年にも及ぶその歴史の中に綻びと陰謀が生まれる。
それらを巡りめぐる運命のロンド。そんなファンタジー。

という典型的な「燃え」ストーリーに、BL風味を交え、手広くやってみました的な感じ。
それが良いのか悪いのかはわからないが。

話数形式で、13話のところで一度物語りが打ち切られ、後半パートへ行くためにエンディングが流れます。
シナリオの展開上物凄いところでぶちぎられるので、焦ります。
これで終わってたら本当に、物議が起きそうでしたが。
かといって、そーいうインターバルが必要であったかなぁとは疑問です。

終盤までの、各キャラの生き様というのは気持ちの良いものでした。
戦闘での猛る想いなどはかっこよかったです。
うん、盛り上げ方は良かった、シナリオの運びも好き好きだけどそれほど悪くない。
途中のインターバルにも目を瞑ろう、ただしエンディング付近で急にぐだぐだになるのはどうかと。
しっかり、物語の最後まで見せて欲しかった、その後どうなったかというハッピーエンドまで見せてくれないと、
この様なファンタジー活劇には合わないと思うんだ。
■ グラフィック ■
キャラデザ、OP、ED特に問題なし。
演出が、ちょっとなぁ。もっと独自路線というものがあったのではないかと思う。
■ ヴォイス ■
どの声優様もなかなか良いです。
特に問題なし。
■ サウンド ■
特に無し。
「キュイーン」流行ってるんですかね?ベタなSEって言ってしまえばそれまでですが。
■ システム ■
基本システム搭載。
演出効果が切れないのでサクサクやりたい時などは邪魔でした。
一本道モノ、途中、Hシーン回収ヒロイン分岐はあります。
難易度、易。

カードバトルシステムはどうみても、邪魔です。
■ 総評 ■
プレイした人の感想を見てみると「fate」「ウテナ」という名詞がちらほら。
確かに、「Fate」への似せ方はやった人ならばわかるもの。
私は、似てるから問題だとは思いませんが、それを超えるつもりで作ったか、そうでないか。
作り手の気持ちが問題だと思う。
無論、似ている、似ていないというのは最終的に読み手の判断によるものだが。
他業界の作品に対する、モチーフや、オマージュならある程度理解を示せるけど、同業界内でやるのは、
節操が無いというか、比べられるのがわかっているのだろうか、ということ。
プレイしながら、そんなことを考えてました。
まぁ、似ていると言っても、それはストーリーでは無く、演出や、テキストの調子、盛り上げ方、キャラ設定などですが。
その使われた手法というのは、別段画期的というものではないけれども、
定着したイメージがそういうことなわけで。

何も考えなければ、無難な作品群の一つ。
このくらいのレベルから一歩抜け出すのが、大変なのかなぁとは思う。
このジャンルはやりつくしては無いけれど、多くある。
でも、「人の幻想には限界が無い!!」という凄い作品が見たい、やりたい。
SFにしてもね。
■ 68点 クラス B ■